OT(Operational Technology)とは、工場や電力会社、電車など、「ものを作る」「サービスを動かす」ための技術のことです。具体的には、製造ラインの機械を自動で動かしたり、電力の供給をコントロールしたり、電車の運行を管理したりする技術が含まれます。OTの目的は、物事をスムーズに、安全に、そして効率的に運営することです。
一方で、IT(Information Technology)は、「情報を扱う」技術のことを言います。例えば、インターネットを使ったコミュニケーション、データの保存・分析、文書の作成といった活動がITに該当します。私たちが普段使っているスマートフォンやパソコンも、ITの一部です。
OTとITの大きな違いは、OTが「物理的なものを動かすこと」に焦点を当てているのに対し、ITは「情報を処理すること」に焦点を当てている点です。例えば、工場の製造ラインで使われるロボットアームを動かすのがOT、工場での生産データを分析して報告書を作るのがITといった具合です。
OTが使われる場所は、主に製造業、インフラ(電力、ガス、水道)、交通(電車、航空、自動車)など、私たちの生活を支える背後で活躍しています。一方、ITはオフィスや学校、家庭など、あらゆる場所で使われています。
みなさんにとって身近な例で言うと、家庭で使われるエアコンの遠隔操作はITの技術を使っていますが、そのエアコン自体を制御して温度を調節するのはOTの技術です。このように、OTとITは異なる役割を持ちながらも、私たちの生活を豊かにしてくれる重要な技術なのです。